バリアフリー旅行情報 
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「諦めないで」旅行もバリアフリー                     2019年8月26日 読売新聞
介助が必要な高齢者や障害者の旅行を手助けするバリアフリー旅行センターが存在感を増している。観光地のバリアフリー情報を発信することで、街に変化が表れてきた地域もある。観光庁は「今はまだ取り組みに地域差が大きいが、今後は観光者の動きにも大きな影響を与える可能性がある」とみる。
■車いすで伊勢参り
兵庫県宝塚市の田中由紀子さん(44)は今春、伊勢旅行の夢をかなえた。先天性の病気で車いす生活を送る。周囲が「車いすで楽しめるのだろうか」と気をもむ一方、力になったのが「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」だった。
相談を受けたセンターは、田中さんの体の状態を詳しく聞き取り、旅行計画造りのアドバイス。「貸し切り風呂があれば温泉が楽しめますよ」「伊勢神宮の参拝は、ボランティアに協力してもらえば大丈夫」-。
無事、旅行を終えた田中さんは「砂利道や参道の階段を理由に諦めていた参拝も実現して満足。公共交通機関を使って各地を巡ることもできた」と喜ぶ。旅行に付き添った介護福祉士の柳田裕貴さん(29)は、「障害の程度で必要な設備は異なる。田中さんの場合、トイレに介助ベットがあるかどうかも重要で、センターに場所を教えてもらって助かった」と振り返る。
センターは2003年に開設。車いすで伊勢神宮を参拝した人は05年の6382人から、18年には3倍近い1万7355人まで増え、周辺の飲食店や土産物店の入口にはスロープが設けられるようになった。内宮前で酒屋を営む前田世利子さん(60)は「車いすの参拝者が毎日のように訪れるのは当たり前のこと。気軽にお酒を飲んでもらっている」と話す。


■玄関口で積極対応
バリアフリー観光に力を入れる沖縄県では07年に那覇空港内に専用カウンターを設置した。障害者らの相談に乗り、車いすの貸し出しや飲食店の紹介もする。問い合わせは08年の6577件から18年は2万745件に、車いすの貸し出しは年間800件を超えている。
パラスポーツ合宿など障害者の受け入れに積極的な豊見城市では、街も変化した。車いす対応の飲食店が増え、ビーチには海水浴用車いすの貸し出しや車いす対応のシャワーも。ホテル「グランビューガーデン沖縄」の古賀孝典総支配人は「初めて車いす利用者20人を迎えたときは不安だったが、工夫すればなんとかなる」と話す。

■街作りに
北海道旭川市では、10年に障害者が中心になって「カムイ大雪バリアフリーツアーセンター」を開設した。車いす利用者らが、自ら調査した北海道各地のバリアフリー情報をホームページに掲載。障害者に理解のある飲食店を増やしたり、車いす利用者が地元の祭りでおみこしを担いだりといった活動にも取り組む。視覚障害者のツアーを企画するなど、観光地としての魅力作りと地域のバリアフリー化を進めている。

支援窓口:観光庁の支援で設置されたバリアフリー旅行センターなどの相談窓口は、昨年10月現在で、全国に36カ所あり、宿泊施設や観光地のバリアフリー状況などの情報を発信している。多くのセンターが加盟する日本バリアフリー観光推進機構の中村元理事長は「事前にどんな手助けが必要なのか分かれば、ほとんどののことに対応できる。旅を諦めないで、問い合わせて欲しい」と話す。
      日本バリアフリー観光推進機構 HP  http://barifuri.jp/portal/page/jbfspo.html